第一回 弘甫会茶会(三溪園)
 平成21年3月14日

平成21年3月14日(土)横浜三渓園におきまして、茶会を開きました。我が社中に家元より「弘甫会」の名称を頂いた、記念すべき第一回弘甫会茶会です。

前夜からの嵐にもかかわらず、沢山の御客様が早くからお出まし下さいましたので、感激の中、定刻前より席を開きました。

私が重要文化財「春草廬」にて濃茶を練り、社中一同で「白雲邸」薄茶席を担当しました。

春草廬は三畳台目八窓の茶室 炉中の炭と行灯のみの明るさに「風情有り・・・」と皆様お喜びでした。

旗本小堀家の昔に思いを馳せての道具組みで、濃茶を召し上がって頂いた後は、庭園の池を琵琶湖に見立てて、奈良の風情で道具を組んだ白雲邸まで道中して頂く趣向、旅の疲れを、茶箱手前でいやして頂きました。

丁度、東大寺二月堂修二会(お水取)満行の日にあたりましたので御菓子や道具で、奈良に遊んで頂ければと、、、、、。


またたく間に刻は過ぎ、松籟会神奈川支部の皆様の力強いお手伝いのお陰をもちまして、無事に終了することが出来ました。社中一同、御客様、支部の皆様に感謝の一日となりました。
 織田有楽縁の重要文化財「春草廬」です。
雨上がりの緑も美しく風情あるたたずまいですね
後二條院新古今集切
後鳥羽院・俊成の桜を詠める歌が、、、、
久しぶりにお客様に濃茶を練りました
松永耳庵筆の扁額
白雲邸の庭より三重塔を望みます
奈良長谷寺が桜の中に浮かびます
遠州好みの銀瓶 遠州の和歌や花木が陰刻され
煮えに小判がついています
茶箱も遠州好み「天の橋立茶箱」を基に唐木に
蒔絵の粧です
  
私の居ない白雲邸で社中一同力を合わせてのおもてなしです
お水取ちなんで御堂椿(濃茶席)
東大寺瓦、あおによし、を連行集盤写しに乗せました

もう一つの干菓子蘭奢待は茶箱の中に、、、、写真なくて残念!!

全て、打出庵大黒屋さんが奈良の風情をテーマに心を込めて作って下さいました 美味しかったですよ!
当日の模様が「茶道新聞」に掲載されました

 






第一回弘甫会茶会 会記


濃茶席   於   三渓園 春草廬  金子宗弘
                     
寄 付
 床  墨堤春図  米僊
 炭 斗  籠  時代
 火 箸  遠州好
 鐶  大角豆  庄平作
 羽 箒  孔雀  宗通結 十五代家元宗通箱
 灰 器  備前
 灰 匙  金象嵌  千鳥
本 席   
 床  新古集切れ後二条院
 花  ときのもの
 花 入  宗中作共箱竹一重切
 香 合  古染付
 釜  撫肩平釜浪地紋 宗通箱
  弥五郎作
 炉 縁  神田上水  古材
 水 指  古曽部
 茶 入  遠州好 瓢 半七 十四代家元宗忠箱
 茶 碗  御本 宗通箱
 茶 杓  宗忠作共筒共箱
 銘老松
 建 水  棒の先 十六代家元宗圓箱
 蓋 置  以妙喜庵古釘  
 治良兵衛作
 茶 銘  蓬莱 松尾園
 菓 子  御堂椿 大黒屋
   器  一閑塗  緑高





薄茶席  於三渓園 白雲邸一の間   金子社中


床    法眼桂舟画 長谷寺曙図
  倉橋行部賛  
鐘のおとも花のかほりとなりはてぬ
     おはつせ山の春のあけぼの
床 脇     硯箱
          武家十二月
三渓夫人居間
六朝仏真塗四方盆にのせて
       写本新哥仙 
 ときのもの
花 入   安南  真葛香斎
香 合   伽藍 高田好胤箱
 遠州好  南鐐  
瓶掛け  宣徳菊桐
風炉先  宗圓箱 忘筌間床脇写し 宗圓箱
茶 箱   唐木  蒔絵
茶 器   遠州好  八角茶入
茶 碗  粉彩重ね 撰宗通北京於 宗通箱
茶 杓  牙
建 水  遠州好  曲 宗圓箱
茶 銘  峰の白 柳桜園
菓 子  蘭奢待・東大寺瓦・あおによし 大黒屋
   器  東大寺二月堂修二会錬行衆盤写し